建物エバリュエーション

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ドーミーイン後楽園(NTPR 後楽園ビル)

推進センターでは、「建物エバリュエーション」と銘打ち、既存建物の性能のプラス面を見出し、評価することに関する知識・見識・経験値を積んでいく能力開発を進めており、その大きな要素は下記の3つと考えています。
建物エバリュエーションの3つの要素
  • 既存建物の工法や技術、建材や設計デザイン等、高性能及び高品質なものを見出す目利き力(バリューサーチ)
  • リフォーム、リノベーション、コンバージョンといった手法を用いて既存建物の価値をクリエイトするイメージ力(バリューアップ)
  • 補助金制度などを有効に活用する見識
また、多くの事例と建築知識をインプットすることが重要と考え、事例コンテストを実施いたしました。選考の結果、大賞1事例、優秀賞2事例、準優秀賞11事例、計14事例を受賞作として表彰し、本ページにおいて順次ご紹介いたします。
優秀賞:ドーミーイン後楽園(NTPR 後楽園ビル)
受賞者:日本土地建物株式会社CREコンサルティング部
プロジェクトマネジメントチーム 深谷正則氏
1954年の設立以来、総合不動産会社として多様な機能を備え、都市開発、住宅、不動産ソリューション、資産運用など幅広い事業を展開。
【バリューサーチ】

一般事業法人の本社移転に伴い、系列グループが組成したファンドにてビルを取得した上でホテルへとコンバージョンする「開発型証券化スキーム」で事業推進したプロジェクトです。当初は、改修工事による賃貸オフィスへの転用も有力な選択肢でしたが、フロア分割が困難なことや周辺に同規模、同スペックのビルが多数あること等、オフィスとしての市場競争力の面では懸念があると判断しました。
一方、東京ドームや文京シビックセンター、多くの大学等が近く国内外問わず観光やビジネス利用の需要が見込める立地に着目し、ビジネスホテルへのコンバージョンを計画しました。
平成7年の当ビル新築工事では現在、新国立競技場の設計を担当している設計事務所が設計していました。その特徴的な建物外観ファザードに注目し、既存のままとすることを意識しました。
過去の大規模修繕に係る設計図書及び工事履歴並びに各種定期検査履歴書も存在していたことで建物の物理的及び機能的な状況把握が可能であったことも、既存建物を活用することとした要因です。

【バリューアップ=コンバージョン】

国連が2015年9月に目標として採択した「(環境や資源に配慮した)持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」が注目を集めていることから、近年の環境への取組やそれに順ずる市場経済の潮流を鑑み、建替えではなく、既存建物を活用した「コンバージョン」こそ、開発事業者としての本来の使命であると考え、プロジェクトをスタートさせました。また、2020年のオリンピックを控え、新築にかかる建築コストが上昇している中、コンバージョンであれば、設備更新が主な項目となり、プロジェクト全体のコスト削減が図れると判断できました。
 
スラブ開口、塞ぎといった躯体に係る改修工事を実施する際は、構造設計者による検証を都度行い、適切な補強を実施。これらの検証結果については構造報告書としてエビデンスを確保しながら慎重に進めることで、躯体状況や耐震性にも十分配慮。これにより、物理的、機能的、経済的な耐用年数は更新されたものと考えられます。
 
ビジネスホテル部分のほか、客室の採光確保が計画上困難となる2階東側のエリアはキャビンタイプ(簡易宿泊所)を設けたハイブリット型ホテルとし、会議室や倉庫として利用されていた地下1階は、レストラン(約100坪)や大浴場(男女別約30坪)を設け、ゆとりある共用部として計画。ビジネスホテルの付加価値を高めた仕様としました。

★プラスアルファ★

コンバージョン工事、テナントリーシング等に伴う開発期間中のリスクをも許容するバリューアッド型ファンド(開発型証券化)組成、「建築ストックの有効活用」により投資家の期待に応える魅力的な建物に「エバリュエーション」しました。

授賞式の様子

Youtubeにて公開中!